英語は間違えていい
4月に、ウィーン・パリに6泊8日で行ってきました。
ウィーンはオーストリアなのでドイツ語、
パリはもちろんフランス語ですよね。
英語が母国語ではない国に、
英語が母国語でない私たちが旅行したわけです。
そこでいくつか気がついたことがあったので、
ここでもお伝えしたいと思います。
私も、そしてオーストリア人もフランス人も、
英語が母国語ではありません。
せいぜい小中学校時代から英語を
「外国語」として学んで、いま仕事で使っている、
という人たちなわけです。
つまり、
・アクセント(訛り)があって当たり前
私は日本語訛り、
オーストリア人はドイツ語訛り、
フランス人はもちろんフランス語訛りの英語で
話すことになる。
・間違えて当たり前
文法的な間違い(三単現のsがない、とか)、
ズバリの語彙が選べない、など。
・言い直して当たり前
間違えたら言い直す。
通じなかったら別の言い方にする。
で、何を言いたいか、というと、
「それで、いいんです」ということ。
例を上げますと、ウィーンのホテルのバーで、
オーストリア人のウェイターさんがワインを
持ってきてくれたのですが、
ドリンクのことをtrinkと発音していました。
実は、ドイツ語では「飲む」= trinken と
いう動詞なのですよ。
それに引きずられてか、
彼はずっと trink 、trink と発音していました。
それでも文脈上、
「ああ、ドリンクなんだな」とこちらは理解しますし、
ましてやドイツ語の知識がちょっとでもあれば、
trink じゃなくて drink って言いたいんだな、
と察することができるわけです。
私が英語を教える仕事をはじめて、
かれこれ7年になりますが、
一度も自分の英語が「完璧」なんて
思ったことはありません。
むしろ、far from perfetであることは
重々自覚していますし、ネイティブどころか、
日本人の英語の先生方と比べても発音も
決していいほうではないでしょう。
もちろんこれからも英語力向上の努力は
続けていきますが、こんな英語力でも、
コミュニケーションを取ろうとすればできるのです。
実は、日本人は、他の日本人の英語力に
必要以上に手厳しい。
何かというと
「あの人の英語はここが間違っている」
「あの人は発音が訛っている」など、
批判、批評ばかりで、お互いの足を
引っ張る(失礼!)傾向があるような気がします。
(そう、私も同業者から揶揄されたこともありますよ)
そんな人に言いたい。
では、あなたが話している
日本語は、いつも「完璧」で
「訛りがない」のでしょうか?
そんなことないですよね。
私の日本語だって、しょっちゅう漢字や
送りがなを間違えていますし、
標準語のアクセントだけが「正しい」のか?
といったら、そうではないですよね。
英語も日本語も、間違ったと気がついたら
直せばいいし、一つの言い方が通じないなら
別の言い方をしてみる、でいいのです。
アクセントだって、訛りが強すぎて相手に
通じないレベルではさすがに困りますが、
言い直して通じるならばOKですよね。
私が目指すのは「完璧な英語」ではなく、
コミュニケーションに使えるレベルの英語、
つまり、言い直したら通じるレベルの英語です。
より具体的には、TOEICなら700点くらい、
英検なら2級くらいあれば英語力のベース、
基本としては十分。
もちろん、それ以上できるに越したことはないですが、
そのくらいの力があるならば、あとは
完璧主義を恐れず使っていきましょうよ、
ということです。
実際、私のクライアントさんには、
「TOEIC700点以上あるのに話せないし、
そもそも聞き取れない!」
というお悩みの方も多いので、
今回は
「もっと聞きとれるようになるために、発音を学ぼう」
という趣旨のセミナーをやります。
こちらののリンクからどうぞ。