「ネイティブ同士の会話」が聞き取れない理由
今日取り上げるのは、リスニング上級者さんにも多いお悩み!
「アジア人の英語なら何とかなるんだけど
ネイティブ同士がナチュラルスピードで
話し始めると、お手上げ!(>_<)
何を言っているのかさっぱりわかりません!」
という方、多いですよね?
実は、TOEICリスニング満点の私だって
「ネイティブ同士の会話」なんて
100パーセントは理解できないです!
(・・・って、あえてエラソーに宣言!?)
それは、どうしてか?
今日はその疑問にお答えします。
↓ ↓ ↓
ここで、ちょっと
考えてみてほしいのですが・・・
例えば、あなたの会社に
アメリカで日本語を学んだ
「日本語検定1級」のアメリカ人がいるとします。
もし、あなたとあなたの同僚が、ナチュラルスピードの日本語で、
専門的な仕事の話を始めたら、そのアメリカ人は「100パーセント」
あなたたちの日本語の会話についてこれるでしょうか?
ということ。
もちろん、
中にはついてこれる人もいるでしょう。
でも、多くの場合、ある言語を、外国人として学ぶ場合には、
ナチュラルスピードで理解できる内容には、限界がある、と思います。
理由はいくつかありますが、ここでは3つ説明しますね。
1)ボキャブラと文化的知識が足りない
2)音の変化、スピードについていけない
3)ネイティブが正しい文法で話しているとは限らない
では、一つずつ見ていきましょう!
↓ ↓ ↓
1)ボキャブラと文化的知識が足りない
聞き取れない理由、ナンバーワンは
「ボキャブラ不足」です。
そもそも、知らない単語は聞き取れないし、
仮に音が聞き取れたとしても、意味がわからない。
当たり前、ですよね。
さらに、ネイティブ同士なら当たり前の
「文化的知識」「背景知識」がこちらにないせいで、
仮に単語を理解できたとしても、その意味することがわからない、ということだってありえます。
言語は、文化の投影でもあります。
例えば、英語によく出てくるキリスト教的な知識や、シェイクスピアに出てくる言い回しの慣用表現などそもそも文化的な背景を知らないと、
仮に一つ一つの音が聞き取れても、その単語を知っていてもその「意味するところ」がわからない、知らない、というのはあり得ることなのです。
日本語で例を挙げますと、
「大見得を切る」という言い方が
ありますが、これはもともと、歌舞伎の世界の用語ですよね?
歌舞伎役者の、あの顔(大見得の表情)が浮かんでこないと、
「おおみえをきる」
という言葉が、音として聞き取れたとしても何を意味するのか、理解できませんよね?
これと同じことが英語でもあり得るわけで、これが「非ネイティブの限界」です。
2)音の変化、スピードについていけない
これは前にもこのメールでお伝えしたことが
ありますが、大事なポイントなので、もう一度繰り返しますよ!
簡単な例をあげますね。
apple これ なんと読みますか?
→ 「アップル」
・・・じゃないですよね?
apple の発音、weblio辞書で
確認してみてください!
https://ejje.weblio.jp/content/apple
発音を聞く、というアイコンをクリック。
はい、なんと言ってましたか?
「アポー」
ですよね?
「アップル」じゃないです。
「アポー」なんです。
つまり、「アポー」が聞こえてきたときに「apple だな」と英語のスペル(と意味)がわからないと、リスニングはできないんです。
〜〜〜
apple は単純すぎる例でしたので
もう一つ、例をあげますね。
There’s a lot of minor problems in this project.
これ、発音するとどうなりますか?
ゼアズ アロットオブ マイナー プロブレムス イン ディス プロジェクト
・・・ほんとうにそうでしょうか?
Google翻訳さんに発音してもらいましょう。
気になる所はいくつかありますがここでは、
a lot of
に着目しましょう。
a lot of = アロットオブ
多くの方がそう思っているはず。
しかし、実際にネイティブが話すときアロットオブ、 なんて発音している人はいません。
あえてカタカナで表すなら、アロロブ です。
lot のt は音が変化し、後ろのof とくっついた結果、
アロロブ(ブはものすごく小さく)
になります。
そう、つまり
「アロロブ」という言葉が聞こえてきたとき頭の中で a lot of がスペルとして浮かんでこないとならないわけです。
これができていない方がとてもたくさんいらっしゃいます。
そして、特に「カタカナ」になってしまっている単語ほど頭の中に正しい音とスペルが結びついていない、という現象が起きるのです。
例)
Manhattan マンハッタン
Internet インターネット
こんな単純な単語であっても英語の発音には、特徴的な音の脱落、短縮、連結があるので、カタカナとは全く違って聞こえるのです。
その発音ルールを知らないとネイティブ英語のリスニングはできません。
3)ネイティブが正しい文法で話しているとは限らない
これも、意外と盲点です!
え?! ネイティブなんだから
正しい文法で話しているはず・・・??
では、お尋ねしたいのですが
あなたは、日本語を一言一句、間違えずに正しく話せますか?
そんなわけないですよね。
例えば、私の周りには、私も含めて
「全然オッケーです!」
っていう人が何人かいますが、これって、文法的にはNGですよね?
「全然」の後ろには「否定」が来る
例)水が全然足りない
というのが、本来の文法的なルール。
でも、私たちは、「全然OKです!」って言われても、わかりますし、これで正しいと思って使っていたりします。
同じことが、英語でも言えるわけです。
ネイティブ同士が話すとき、私たちが習った「文法的に正しい英語」ではない
構文を使って話している、ということもあり得るんです。
まとめますと
外国人として英語を習得したい私たちが
「ネイティブ同士の会話を100%聞き取る」
のは限界がある!
ということ。
その理由は、
1)ボキャブラと文化的知識が足りない
2)音の変化、スピードについていけない
3)ネイティブが正しい文法で話しているとは限らない
なのです。
では、実際、
ネイティブ同士の会話が聞き取れない時、どうしたらいいのか?
次のブログで、対策をお伝えしますね。