イギリス人上司が苦笑いした話
皆さん、フリップチャートというものをご存知ですか?
日本ではあまり見かけることがないものだと思いますが、どうやらそれはアメリカ人やイギリス人にとっては、当たり前のもののようです。
私が外資系メーカーに勤めていた、2000年代当時のことです。イギリス人の上司Bさんから、次の会議に備えてフリップチャートを用意してほしいというメールをもらいました。
しかし、私はフリップチャートというものがどんなものなのか全くわかりませんでした。当時はまだ、Googleイメージ検索とかそんなものを使うなんていう知恵はなかったし、私は上司の言っているフリップチャートが何のことなのか、さっぱりわかりませんでした。
会議の日程が迫ってきて、フリップチャートとは何なのか、わからないまま準備を進めなくてはならなくなってしまいました。私はイギリス人の上司に電話をかけ、フリップチャートとは何なのか、というのを聞き出すことにしました。
会議の日程が迫っていたので、確か土日に電話で話したように記憶しています。
電話の向こうで、イギリスの上司は
「フリップチャートとは、大きな紙が、何十枚か、上の方だけ綴じてあって、会議をしながら、記入した紙をめくって使うのだ」
と言うようなことを英語で説明してくれました。
しかし、私の頭の中には、フリップチャートというものが全く浮かんできませんでした。だって、知らないのですもの。
実際にはこの絵のようなものなのですが、そもそも、存在を知らないということになると、説明されても何を言ってるのか?どんなものなのか?全くと言っていいほど浮かんできませんでした。
何往復か電話口でやりとりをした結果、無事アマゾンで同じようなものを見つけ、購入し、事なきを得たわけです。
来日したイギリス人の上司は、
「Chieko、まさか自分が、フリップチャートについて、休日のショッピングモールで、電話口で大声で説明することになるとは思わなかった!周りの人たちは、自分のことを変な目で見ていたよ」
と苦笑いをしていました。
ここから言えることは、異文化コミュニケーションにおいて、相手が、自分と同じバックグラウンドを持っているとは限らない、ということです。
フリップチャートはBさんにとっては当たり前のものでした。でも、私にとっては、フリップチャートなんて、見たことも聞いたこともないものでした。説明されても、そもそも何であるか、理解するまでにものすごく時間がかかったのです。
この話は、フリップチャートくらいだったから笑い話で済みますが、もっとシリアスな状況だってあり得るわけです。
実際に、もっとシリアスな状況で、異文化理解に苦しんだこともあるのですが、その話はまた次回にします。